家づくりのコンセプトテーマはどう決める?実際の施工事例も見てみよう
夢の注文住宅は、さまざまな住宅デザインやスタイルのアイデアがでてきますよね。しかし、無計画のまま自分や家族の希望をすべて入れてしまうと、どのような住宅ができるのか完成までイメージすることができません。そこで大切なのが、家づくりにおけるコンセプトテーマを決めることです。
今回は、住まいづくりにおけるコンセプトの重要性や、コンセプトの考え方、実例について解説します。これから家づくりを考えている人や、スムーズに注文住宅を完成させたい人は参考にしてください。
家づくりにおけるコンセプトテーマの重要性
コンセプトとは、概念や構想を意味する言葉です。注文住宅だけでなく、物づくりにおいてベースになる考え方や構想を指すときに使われます。
コンセプトテーマを決めなくても、プロの建築家に任せれば注文住宅を作ることはできます。しかし、コンセプトを決めることは、4つの点において重要なのです。
・家づくりの指標になる
・家の統一感がでる
・設備や内装などが決めやすい
・後悔や失敗をするリスクが減る
家づくりの指標になる
家づくりには、建築家や設計者、営業マンや現場監督、実際に工事を行う職人などさまざまな人が関わります。発注側を見ても、自分だけだけでなく家族それぞれの意見があるでしょう。そのような多くの人たちの意見をまとめる際に役立つのが、コンセプトテーマです。
コンセプトテーマを決めておくことで、全員が同じ指標を持って家づくりを行うことができます。選択肢が複数ある場合はコンセプトテーマに沿った判断ができるので、最初に思い描いた設計コンセプトから大きく逸れることなく理想の家が完成します。
家の統一感がでる
一から理想の家づくりを行う注文住宅は、間取りから壁紙や床の素材、設備の有無やコンセントやスイッチの位置など決めることが多岐にわたります。コンセプトテーマを決めずに理想を詰め込むと、家全体の統一感が生まれにくいです。さらには、予算がかさみ何かを削ることにもなりかねません。
コンセプトテーマを定めておくと、家全体のデザインや機能性がちぐはぐになることを防げます。インテリアにこだわらなくても、統一感のあるスタイリッシュな空間がかなうのです。
設備や内装などが決めやすい
注文住宅は部屋それぞれの設備や内装を決める必要があり「考えることが多すぎて大変……!」と感じる人も多いでしょう。しかし、コンセプトテーマがあることで選択肢の幅が狭まります。そのため、部屋ごとの設備や内装が決めやすく時間や手間の削減にもつながります。
後悔や失敗をするリスクが減る
注文住宅を建てたあとにほかの人の家を見ると「私もあんな内装にすればよかった……」などと後悔する人は少なくありません。一生に一度の家づくりは、なるべく後悔せずに理想どおりの家にしたいものです。
コンセプトテーマを決めておくと「こんな雰囲気にするにはこの内装や設備が必要」など、必要なものが自然と明確になります。そのため、コンセプトテーマを決めないよりも後悔や失敗する可能性が低くなるのです。
家づくりのコンセプトテーマの決め方
後悔しない理想の家づくりに欠かせないコンセプトテーマを決めるには、4つのポイントを考える必要があります。
・どんな暮らしを送りたいのか
・今お住まいの物件の不満点
・設備や内装、間取りなどの優先順位
・コンセプト・テイスト
1から4までを順番に、家族と相談しながら書き出してみましょう。
①どんな暮らしを送りたいのかを書き出す
新しいマイホームでどんな暮らしがしたいでしょうか。コンセプトテーマを明確にする前に、なぜ注文住宅を建てるかを考え直してみましょう。ここで大切なのは、どんな家で暮らしたいかではなく、どんな生活を送りたいかを考えることです。
たとえば、以下のようなものが挙げられます。
・家族が集まるリビングで賑やかな生活がしたい
・家族それぞれが一人になれる空間が欲しい
・ペットと一緒に庭や室内を駆け回りたい
「これは予算がかかりそう……」「現実的に難しいかも……」など躊躇せずに、まずは理想の暮らしを書き出してみましょう。プロの建築家にかかれば、思いもよらない方法で理想を形にしてもらえるかもしれません。
②今お住まいの物件の不満点を書き出す
プラスだけでなく、マイナスにも目を向けることが大切です。理想の暮らしがピックアップできたら、今お住まいの住宅や今までお住まいだった住宅で不満に思ったことを以下のように書き出していきます。
・窓が少なく開放感がないのが不満
・家族全員の荷物をわけて収納できないことに困っている
・寒暖差が激しく光熱費がかさんでしまう
このように不満点を考えることで、それを解消するための注文住宅を作ることができます。遠慮することなく、不満に思うポイントをすべて書き出していきましょう。
③設備や内装、間取りなどの優先順位を決める
もちろん、理想の暮らしや不満点の解消がすべてかなうわけではありません。予算や土地の広さ、実現できることに限りがあるからです。そこで重要なのが、優先順位を考えておくことです。
たとえば上記で挙げた不満点の場合、開放感を増やすには窓を増やす必要がありますが、窓が多いと収納スペースが減ってしまいます。このように、デザイン・性能・費用のどの部分を優先したいかを考え、それぞれの細かいポイントの優先順位も考えていきましょう。
④コンセプト・テイストを決める
最後に決めるのが、外観や内観などのデザインにおけるコンセプト・テイストです。デザインのコンセプトやテイストを決めておくことで、家全体に統一感が生まれ壁や床、天井や屋根などが決めやすくなります。デザインのコンセプト・テイストには以下のようなものが挙げられます。
・自然素材を使った無垢スタイルの家
・デザイナープロダクトを集めたデザイン住宅
・家事動線の高いスタイリッシュな住宅
この4つを考えることで、家の機能やデザイン、暮らしやすさや予算などすべてに考慮したコンセプトテーマを決めることができます。
家づくりコンセプトテーマの実例
それでは実際に、私たちが今まで手がけてきた3つのコンセプト住宅を紹介します。
・和モダンを感じる家づくり
・明るさをうみだす家づくり
・平屋の生活ができる家づくり
作りたい家が具体的に決まっていない人は、これらの例を参考に気に入った部分を取り入れてみてください。
和モダンを感じる家づくり
引用:作造公式サイト
和室を取り入れながら古い雰囲気にならない、和モダンをデザインコンセプトとして定めた注文住宅です。畳だけでなく玄関の壁を石張りにすることで、高級感をプラスしながら和のテイストを取り入れました。自分と家族だけでなく、友人にも心地のよい 家でありたいという思いから、急な来客にも困らない収納を各所に配置しています。
明るさをうみだす家づくり
引用:作造公式サイト
明るさをコンセプトテーマにした二階建ての注文住宅です。できるだけ多くの場所に光が入るように、玄関の飾り棚や畳、内階段にはガラス素材を採用しました。二階に光を多く取り込む窓を設置していますが、外からの視線が気にならないような工夫を施しています。全体をペールトーンの木目調にすることで、一つ一つの雰囲気を統一しました。
平屋の生活ができる家づくり
引用:作造公式サイト
二階建てながらも、平屋暮らしのご希望に基づいて設計した住宅です。お子様たちが独立したあとは趣味のスペースとして活用できるよう、主寝室を一階に設けました。ご夫婦が長年住み続けることを考慮して、年月が経つごとに味わいが増すチークの無垢材を床材として使用しています。
まとめ
家づくりにおいて、コンセプトテーマを決めることで4つのメリットがあります。
・家づくりの指標になる
・家の統一感がでる
・設備や内装などを決めやすい
・後悔や失敗をするリスクが減る
家づくりのコンセプトを決めるには、理想の暮らしや今までの住宅の不満点を書き出した上で、優先順位を決めたあとにデザインにおける具体的なテイストを決めましょう。住みたい家が決まっていない人は、今回紹介した3つの例も参考にしてください。
コンセプトに沿った家づくりは、ぜひ株式会社作造へご相談ください。お客様の「言葉にできない想い」を形にし、具体的なコンセプトがない状態でも、ヒアリングを重ねることで理想の家づくりをかなえます。