人気再熱!?背面キッチンのメリット・デメリット&リフォーム費用
背面キッチンとは、壁付けキッチンとも呼ばれるスタイルで、壁向きについているキッチンです。
昭和の台所のような古いイメージを持つ方も多いかもしれませんが、メリットも豊富で再注目されています。
アイランドキッチンのようなオシャレなイメージはないかもしれませんが、背面キッチンのメリットを考えると背面キッチンの方が向いていると感じる方もいるかもしれません。
背面キッチンにはどのようなレイアウトがあるのか、メリット・デメリットとは?さらにリフォームする際の費用や注意点など、背面キッチンについてまとめました。
背面キッチンとは
日本の家庭では多く取り入れられている背面キッチン。
キッチンの種類は、背面キッチンと対面キッチンの2種類に分けられます。
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- 背面キッチン
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- 対面キッチン
背面キッチンと対面キッチンの主な違いについて、ご説明します。
背面キッチン
背面キッチン、壁付けキッチンは、その名前の通り壁向きに取り付けられたキッチンで、家族に背を向けて料理をする形になります。
アイランドキッチンやカウンターキッチンなどの対面キッチンが新しいタイプのキッチンとすれば、背面キッチンは古いタイプといえるでしょう。
しかしキッチンが壁にくっついているので、スペースを広く使いたい家庭にはおすすめのスタイルでもあります。
背面キッチンから新しい背面キッチンへとリフォームを希望される方も多く、根強い人気のキッチンです。
対面キッチン
対面キッチンとは、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンのようにリビングに向き合っている形のキッチンです。
アイランドキッチンは島という意味があり、壁から離れたキッチンです。
ペニンシュラキッチンとは半島という意味があり、キッチンの片側のみが壁に接しているキッチンです。
キッチンの広さが必要だったり、油がリビングに飛びやすいといったデメリットもあります。
しかしリビングを向いて料理ができるスタイルを好む方も多く、家族と話しをしながら料理をしたい人に人気です。
背面キッチンの間取り
背面キッチンの家庭の間取りは、2つに分けられます。
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- オープンキッチン
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- クローズドキッチン
オープンキッチン
オープンキッチンとは、キッチンとリビング・ダイニングが分けられていない間取りです。
キッチンとリビング・ダイニングが一つの空間になるので、広々とした解放感を感じられます。
背面キッチンであっても、オープンキッチンであれば家族と同じ空間で料理を楽しめます。
クローズドキッチン
クローズドキッチンとは、独立型キッチンとも呼ばれる形で、キッチンが他の部屋と分けられている間取りです。
キッチンが独立したひとつの部屋のようになっていて、集中して料理をしたい方に向いています。
キッチンがリビングから見えないので、急な来客があったとしても片付けに追われません。
リビングの方にニオイが流れにくいという特徴がありますので、リビングを別空間にしてゆっくりくつろげます。
キッチンのレイアウト
キッチンには、いくつかレイアウトがあります。
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- I型キッチン
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- L型キッチン
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- コの字型キッチン
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- セパレートキッチン
これらのレイアウトの詳しい形や特徴について、ご説明します。
I型キッチン
I型キッチンとは、コンロと調理台、流しが一列になったキッチンで、アルファベットのIの形のように見えるスタイルです。
比較的安価で導入できますし、空間も広く使えるという特徴があり、背面キッチンではI型キッチンが多いです。
横に長いので作業動線が長くなってしまうという面もありますが、種類も豊富なので好みのタイプも見つかりやすいでしょう。
L型キッチン
L型キッチンとは、名前の通りL型に配置されたキッチンです。
コンロとシンクがL型に設置されていて、背面キッチンでも対面キッチンでも取り付けられます。
作業スペースが広くなりますし、作業動線も短くなるので、料理しやすい形です。
冷蔵庫をシンクの近くに置くようにすると、ストレスなく動けます。
コの字型キッチン
カタカナのコの字の形のように配置されたのがコの字型キッチンで、U字型キッチンとも呼ばれます。
3面で設置されていますので、作業スペースも収納スペースも多いのが特徴です。
作業動線も短くて使いやすいですが、多くのスペースが必要になります。
セパレートキッチン
セパレートキッチンとは、コンロとシンクを2列に並べたキッチンで、Ⅱ型キッチンとも呼ばれます。
アイランドキッチンよりも狭いスペースで設置が可能で、複数人での料理がしやすくなります。
セパレートキッチンは対面キッチンに分類され、リノベーションでも希望される方が多くいらっしゃいます。
背面キッチンのメリット
背面キッチンは昔のスタイルではなく、現代の家庭においても多くのメリットがあります。
背面キッチンのメリットをまとめましたので、チェックしていきましょう。
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- リビング・ダイニングを広く使える
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- 前面の壁を自分好みにできる
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- キッチンの窓を活用できる
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- 料理に集中できる
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- 家事動線が短い
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- 料理のニオイが気にならない
リビング・ダイニングを広く使える
リビング・ダイニングを広く使えるのが、背面キッチンの大きなメリットのひとつです。
壁向きにキッチンがついていますので、デッドスペースがありません。
限られたスペースの中で、キッチンだけでなくLDKもレイアウトしていけますので、家族が快適に過ごせる空間作りができるでしょう。
前面の壁を自分好みにできる
背面キッチンは壁に向かって料理をする形になりますので、壁は常に目につく状態です。
壁にラックを付けて小さな観葉植物を飾ってみたり、壁かけ収納として利用するのも良いでしょう。
見せる収納としてかわいらしく自分好みにアレンジできれば、料理の時間も楽しくなるかもしれません。
調味料をわざと並べて、見せる収納を楽しんでみてはいかがでしょうか。
キッチンの窓を活用できる
背面キッチンの作業台の前に窓がある場合には、窓をポイントにしたレイアウトも素敵です。
背面キッチンは圧迫感のないスタイルですが、窓があれば解放感もプラスでき、ニオイがこもった時の換気も楽です。
外の景色を楽しみながらキッチンに立てますし、窓際でハーブを育てたりという楽しみ方もあります。
キッチンのレイアウトのひとつとして、リフォームで窓を取り付ける方もいらっしゃいます。
料理に集中できる
背面キッチンは壁に向いて料理をしますので、料理に集中できるというメリットもあります。
対面キッチンだとテレビが気になってしまって、つい作業の手が止まってしまう場合もあるからです。
毎日の料理が苦手、短時間で料理を終わらせたい、という方は、このようなキッチンの配置で集中できる環境を整えてみるのもいいかもしれません。
家事動線が短い
背面キッチンの場合は、後ろにダイニングテーブルを配置する家庭が多いです。
ダイニングテーブルを広い作業台として使ったり、パソコンや本を開いてレシピを見ながら料理できます。
振り返るだけでダイニングテーブルがあるので、配膳や後片付けもスムーズに行えます。
このように料理だけでなく、配膳や後片付けという一連の流れを考慮しても家事動線が短く、使いやすいキッチンだといえるでしょう。
料理のニオイが気にならない
アイランドキッチンのような対面キッチンだと、料理のニオイが部屋に充満してしまうという悩みがあります。
また対面キッチンは作業の音も気になってしまって、小さな子供が昼寝をしている時に洗い物がしづらいというデメリットもあります。
水蒸気や煙は目には見えませんが、壁に沿って立ち上がっていくという性質があります。
背面キッチンであれば、壁向きにコンロがついているので、油やニオイが部屋に広がりにくいです。
背面キッチンのデメリット
メリットの多い背面キッチンですが、その分デメリットもあります。
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- キッチンが丸見え
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- 家電や食器棚の配置が難しい
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- 孤立してしまう
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- 子供の動きに注意が必要
背面キッチンにする場合には、これらのデメリットも理解しておくようにしましょう。
キッチンが丸見え
背面キッチンは、リビング・ダイニングとの仕切りがありません。
そのためキッチンが散らかっているのが丸見えになったり、料理の手元が常に見られているような状態になります。
生活感が出やすい、部屋の見栄えが悪くなるというデメリットがあります。
作業台やを用意してカウンターのように配置して、目隠しのような役割にしている家庭もあります。
キッチンの広さや作業量によって、適切な大きさを選んで置いておくと便利です。
家電や食器棚の配置が難しい
背面キッチンの前には、多くの家でダイニングテーブルが置かれます。
作業台として広く使用できる、配膳や下膳が楽に行えるというメリットがある一方で、背面にダイニングテーブル以外を置きにくいというデメリットがあります。
対面キッチンであれば、背面に冷蔵庫や食器棚を置けるので、作業動線が短くなります。
しかし背面キッチンはI型が基本なので、横動線に長く、家電や食器棚の配置を考えなくてはいけません。
キッチンは、シンク、冷蔵庫、コンロのワークトライアングルを考える必要があります。
正三角形に近いほど作業効率が上がるといわれていますので、配置の参考になさってください。
孤立してしまう
家族に背を向けて作業をする背面キッチンは、集中できるというメリットはありますが、孤立してしまうという面もあります。
家族の様子を見守りたい、ペットを眺めながら料理をしたいという方は、リビングやダイニングの様子が気になってしまうかもしれません。
家族の様子を確認したいという希望がある場合には、対面キッチンの方が向いているといえるでしょう。
子供の動きに注意が必要
背面キッチンは家族の動きが見えませんので、料理中に子供が寄ってきて、思わぬ怪我につながる場合もあるかもしれません。
独立した部屋のようになっているクローズドキッチンであれば、ベビーゲートの設置も可能です。
しかしリビング・ダイニングと同じ空間にある背面キッチンでは、ベビーゲートの設置は難しい場合がほとんどでしょう。
料理に集中したい場合には、ベビーサークルを利用するなど工夫しましょう。
子供の安全を守りながら、料理に集中できるような環境を整える必要があるかもしれません。
背面キッチンのリフォーム
背面キッチンのリフォームに関して、一般的な費用の目安や、工事費用を安く抑えるポイントについてまとめました。
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- 背面キッチンのリフォーム費用
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- キッチンリフォームにかかる費用の内訳
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- キッチンリフォームを安くする方法
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- マンションのキッチンリフォーム
背面キッチンのリフォーム費用
キッチンの形を変更したりするリフォームの費用について、ご説明します。
リフォーム方法 | 費用目安 |
背面キッチンから背面キッチンへ | 50万円~100万円 |
背面キッチンから対面キッチンへ | 50万円~200万円 |
ご自宅の状況や選ぶシステムキッチンの種類によって、値段は変わります。
キッチンリフォームにかかる費用の内訳
一般的にキッチンのリフォームにかかる費用には、以下のような物が含まれています。
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- キッチンの解体工事費用
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- キッチンの撤去料
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- 新しいシステムキッチンの本体費用
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- 配管、電気工事費用
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- 内装工事の費用
細かい内訳については、いくつかのリフォーム会社で見積りをとってもらうとわかりやすいでしょう。
キッチンリフォームを安くする方法
キッチンのリフォーム費用を安くするポイントは、こちらの3つです。
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- キッチンの位置を動かさない
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- 安いシステムキッチンを選ぶ
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- 内装工事を最小限にする
キッチンの位置を動かすと、床の修繕や水道、電気の工事も必要になります。
リフォーム費用を抑えるには、同じ位置に新しいキッチンを設置するようにします。
システムキッチンの相場は、50万円~150万円と幅がありますので、安くて満足できる物を見つけられるといいでしょう。
内装工事とは、キッチンの床材変更や壁紙を変更する工事です。
せっかくリフォームをするなら……といろいろ工事したくなりますが、内装費用を抑えられれば、リフォーム費用を抑えられます。
マンションのキッチンリフォーム
一戸建てのキッチンリフォームよりも、マンションのキッチンリフォームの方が制限が多いです。
マンションの管理組合にリフォームの申請が必要で、騒音防止など制約がありますので確認しておきます。
マンションでは床下の配管の関係で、システムキッチンを配置する場所に制限が出る場合もあります。
一戸建てのリフォームほど自由がききませんので、その分コストがかかってしまうというケースもあります。
家族に合うキッチンを
背面キッチンは古いスタイルのキッチンではなく、現代でも多くのメリットがあります。
家族構成やペットの有無、子供の年代によって、生活スタイルも変わります。
キッチンは家の中心になるような場所なので、家族が快適に過ごせる空間でなくてはいけません。
それぞれの家庭に合わせて、家族が笑顔で集まれるようなキッチンを目指していきましょう。